2007年3月7日(水)、第104回講演会が標記のテーマのもと大阪・中央電気倶楽部にて開催された。
「環境配慮型ものづくりと海外の動向」
米国Northeastern大学 教授 Surendra M. Gupta 氏
「環境に配慮したものづくり」のテーマに早くから取組まれているGuputa教授の来日を機会に中島健一氏の解説も含めた通訳により分かりやすく講演を拝聴することが出来た。Guputa教授は1997年にLRM
(Laboratory for Responsible Manufacturing)を立ち上げ、以来、270編もの論文や著書があり、12名のPhDを育てられている。
上記のコンセプトは新製品を開発する際にその製品の設計段階でコンセプトを折込み、最終消費者への配送から究極的には製品のライフサイクル最後の廃棄に至るまでを考慮することを示している。さらに、その実現の為の法律と経済的インセンティブを考えるとともに、現在、欧米で取組まれているそのコンセプトにより開発した製品を廃棄する過程で、分解工程での問題点や課題の紹介があり、興味深い内容であった。
「松下電器における環境配慮設計の取り組み」
松下電器産業 環境本部 参事 神 恵一 氏
引続き、企業の環境配慮型設計についての事例として松下電器産業の取組みについて神恵一氏より講演があった。
同社は21世紀の事業ビジョンに取り上げられている「地球環境との共存」を受けて、環境行動計画のグリーンプラン(GP)2010の中で、生活の質を高め新たな暮らしの価値創造を社会に普及するためにグリーンプロダクツの開発の仕方を見直しその成果を上げた。
具体的には持続可能性追求型製品(スーパーGP)の開発を目指し、松下グループ各社では既に37製品をスーパーGP/ダントツGPの認定をしている。その中で特に環境に優れたいくつかの製品の特徴の説明があり、ヒートポンプをユニット化した斜めドラム式洗濯乾燥機や真空断熱材を使用した高性能冷蔵庫など、環境に配慮した電化製品や部品の開発状況に参加者の興味を引いた。
宮下 文彬(関西大学)