去る8月28日から29日にかけて、第14回ヤング・サマー・セミナー(YSS)が(社)日本電気協会様のご厚意により同裾野研修センターにて開催された。参加者は原則35才以下の正会員・準会員で構成され、今年は企業から2名、大学教員2名、学生19名の計24名が参加し、講演と研究発表・討論が行われた。
初日は今回のテーマである「商品・製品開発」に関して、3名の大学の先生、企業の方にご講演いただいた。
まず玉川大学の永井一志先生から「経験価値による商品開発へのアプローチ」、(株)熊谷組の田中孝司氏から
「商品開発の源はコミュニケーションとイマジネーション」、日産車体魔フ大野真也氏から「新型ウィングロードの開発」
という演題であった。商品・製品開発プロセスにおける品質管理の有効活用方法や、社会に出るにあたり求められる感性など
を教えていただき、学生にとって大変貴重な時間となった。夜には懇親会が行われ、普段関わりが少ない若手研究者同士の親睦を
深めるとともに、講演に関する議論や情報交換などなされ、非常に有意義な時間を過ごした。
翌日は6名の学生による研究発表が行われた。早稲田大学から子安沙央里さんが
「感性品質を反映したボールペンの設計に関する研究」、空花弘道君が
「感性工学を用いたパッケージデザインの設計に関する研究」、飯島洋平君が
「歪んだ分布に対する上限規格のみある場合の工程能力指数」、武蔵工業大学の丸山裕之君が
「消費者の購買予測」、東京理科大学の渡邊吾郎君が「分割実験における直交表を用いた因子の割り付け」
、名古屋工業大学の榊原茂人君が「企画品質のばらつきの要因解析」という題目で発表し、
様々な視点からの研究内容に対して活発な議論が行われた。
本セミナーは今後の品質管理学会を担う次代の若手の研鑽に大きな役割を果たすものである。
こうした機会を与えていただいた学会の皆様に感謝すると共に、今後とも本セミナーや、本年度から活動が統合されたインカレゼミに多くの若手が参加することを期待したい。
新田 純平(東京大学)
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