平成17年7月1日(金)に第310回事業所見学会(中部支部第76回)が三重県亀山市のシャープ(株)亀山工場にて開催され、『亀山産 AQUOS(アクオス)の誕生』をテーマに、55名が参加した。
亀山工場は、テレビ映像技術と最先端の独自液晶技術を結集させ、第6世代と呼ばれる1500×1800ミリの大型マザーガラスを採用し、世界で初めて液晶パネルから大型液晶テレビまでを一貫生産している工場である。
見学するにあたり、AVC液晶事業本部液晶TV品質管理センター所長の安田様より「亀山AQUOSの品質取組み」を題目に「シャープの引き継がれるDNA」と「攻撃型品質管理(先の品質を予見・予測し問題発生を押さえ込む)」の活動の一つである「作業指導」について実例を用いてお話いただいた。
それは、よくミスをするパート作業者である女性に対し「結果から理解させる」取組みであり、引き起こす不良のロス金額を自分で計算させ、ロスの大きさを金額で実感させることにより自分のパート賃金では一生働いても払えないことを理解させるものであった。その結果、その女性のミスは全くなくなり、さらにはチームの改善活動を引っ張るリーダー的存在にまで成長したという意識改革の事例であった。
テレビ組立工場の見学は、20mほどの最終検査ラインの廊下を往復するガラス越しの見学で、映像の映りチェック目視検査の実作業などを見ることができたが、もう少し見たかったという意見が多く寄せられた。
その後、液晶パネル製造方法について、荒田様、岡田様より詳細な説明を受け、更にバスにて「スーパーグリーンファクトリー」を目指し施したシステム(工場排水100%リサイクル、コ・ジュネレーションシステム、採光型太陽電池モジュール)の工場外周見学を行なった。
環境を配慮した最新の工場であるとともに、品質に関する奥深い取組みを見学し、やはり「ものづくり」は「人づくり」なのだと痛感させられた見学会であった。
伊藤ゆかり(アイシン精機(株))
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