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第305回事業所見学会
日産自動車栃木工場

 
掲載日:2005/11/18 ルポの一覧に戻る
2005年6月17日、定員を大幅に上回る37名の参加者と共に日産自動車の栃木工場に向かった。上三川町に300万m2(南北4km、東西1km)もの広大な敷地を擁する、同社の国内最大規模の工場で、6,100名が鋳造部品、車軸及び完成車両(高級車、スポーツカー)を生産している。工場の周囲には高速テストコース(1周6.5km)や悪路など種々の走行コースがあり、まさに主力工場の名にふさわしい、圧倒的な陣容である。

紹介VTR上映の後、工務部生産課長・村越照治氏から生産の中心概念である、NPW(Nissan Product Way)について説明いただいた。根本はあらゆる面の同期化で、顧客から注文を受けた時点から生産現場、サプライヤー、物流会社にも情報を流し、時間や順序を確定し、全体最適化と高効率を目指すシステムである。また、1.5ヶ月で新車種追加が可能な柔軟なライン、コストダウンと多車種混合生産を可能にした魚の骨のようなライン、働く人にやさしいラインなど数々の工夫を知った。その後車体工場・組立工場を見学。溶接ラインをも含む最先端工程をつぶさに拝見した。各ラインは自動化が進み、手作業でもスムースに、体に負担をかけないように「宝船」なる作業者と共に動く工具置台が頻用されている。QC活動では、方針管理を徹底し、また工程単位に1名ずつQuality Leaderを置き、相互に情報交換しながら有機的に推進している。1台ずつ走行テストまでして品質保証している。QCサークルも非常に活発で、関東支部や全日本選抜大会でもしばしば入賞している。効果金額は年間1人当たり何と100万円(!)とのことである。

栃木工場は最近の日産車と同様にアイデアと工夫に満ち、生産面でも品質面でも実に「しっかり、どっしり」として、輝いていた。参加者一同、元気をいただいて帰路についた次第で、心より御礼申し上げたい。
神田 範明(成城大学)

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