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第96回緊急講演会(本部)
「事故・不祥事から組織を守る」

 
掲載日:2005/11/18 ルポの一覧に戻る
今般のJR西日本の大事故やその他の大企業においても企業の価値を低下させる事故や不祥事が発生している。これらに対し、「当事者」として、あわてふためく事態を起こさぬようにと緊急講演会が開催された。8月2日ク日本科学技術連盟 千駄ヶ谷本部、参加者127名。

■講演1「事故・不祥事を防ぐ −私たちに何ができるか−」
東京大学教授 飯塚 悦功氏

事故・不祥事の起こる原因は○1技術、マネジメントシステムの欠如とヒューマンエラー○2価値観、文化、組織体質の劣化○3社会ニーズの変化の感受性欠如などがあげられ、これの組織としての対応策が提案された。○1組織として ■一本筋の通っている哲学 ■トップの腐敗防止力 ■企業の存在意義、存在価値など根幹的尺度が必要であり、○2組織運営としては ■外向きの姿勢(Open)、■内部コミュニケーションの重視、■事実重視の思想と行動が必要である。

■講演2「変化激しい時代のリスクマネジメント −いま、市民は何を求め、企業はどのように対応すべきか−」
松下電器産業膜レ問 上野 治男氏

最近の不祥事の原因に“世の中が変わっているのに企業がそれに気づいていない”ことがあげられる。万一、不具合が生じた場合には前向きに対応すること。その場合は市民が主役であることを念頭に置きわかりやすく、根気よく説明する必要がある。ダーウィンの“種の起源”では生物は強いから生き延びたのではなく、変化に対応するものだけが生き延びることを例に、企業の変化対応の必要性を説かれた。

最後の質疑応答において、「不祥事の発覚は内部告発に因ることが多いが、ほとんどが事前に問題提起されていた」との説明があった。両講師がリスク・コミュニケーションに触れていたが「事故・不祥事を防ぐ」ための大きなキーワードがここにあると理解した。
山崎 正彦(元・コニカ(株))

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