さる平成16年7月23日(金)第301回事業所見学会(中部支部第73回)が、静岡県湖西市のアスモ(株)本社工場にて開催された。『グローバル化に対応したものづくり』をテーマに、38名の参加となった。
アスモ(株)は1979年に設立され、現在7ヶ国に生産拠点を持ち、2003年度の売上高は1,651億円、自動車用小型モータの生産量では世界第1位の規模を誇る。
工場を見学するにあたって、事前に「つくりやすいものづくり」、「グローバルな視点での世界最適生産」、「世界同一品質」、これらを目指した積極的な事業展開・人づくりについて実例を交えご紹介いただき、参加者から次々と発せられる質問に対しては、体験に基づいた具体的なお話しをうかがうことができた。特に「不良ゼロ」を目標に「工程のプロ」を養成する人材育成、ライン無停止のギネス活動など、品質意識の高揚に関する内容に参加者の関心が集まった。
実際にラインを見学させていただくと、ものづくりに対するアスモ独自の熱い想いが現場の随所に見られ、圧倒的な生産性と高品質を支える人づくりに、業種や組織の規模を超え、たいへん参考になったとの感想が寄せられた。
現在、自動車1台に装着されるモータの数は約50個にものぼり、この数は今後ますます増加していくと予想される中、モータ単体からシステム、情報・通信機器モータなど自動車以外の分野への技術展開を通じ、常に地域No.1を目指すアスモの動向から目が離せない状況である。
日本の産業の基礎を築いた豊田佐吉翁の出身地であるこの湖西市に集い、グローバル化していく「日本のものづくり」における品質確保の原点復帰と今後の方向をさぐる貴重な一日となった。
鈴木 信滋((株)魚国総本社)