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第293回関西 事業所見学会
月桂冠株式会社「日本酒のリーディングカンパニー」

 
掲載日:2004/05/20 ルポの一覧に戻る
中島 昭午 関西支部長(エス・バイ・エル(株)代表取締役CEO)のご友人の多賀渇長・中川泰三様の肝煎りで、今回は月桂冠(株)を訪問しました。38人の参加者があり、久しぶりに盛況な事業所見学会となりました。月桂冠(株)は、京都伏見で1637(寛永14)年に創業した清酒醸造の老舗のメーカーで、日本酒のリーディングカンパニーです。まず大蔵記念館で集合し、会社概要と酒造りの変遷についての説明を受けた後、記念館では、昔の酒造りの状況を見学しました。

館内は、酒造りの作業に合せた「酒造り唄」が流れ、昔の酒蔵の雰囲気が漂っていました。酒は、原料の米にコウジ菌をつけて酒母を作り、発酵させ、糖化とアルコール発酵のバランスをとりながら美味しいお酒にします。そのため工程では、温度と時間管理が大切で、この「酒造り唄」は温度管理のために唄ったとのことです。また、月桂冠では、1961年に、日本最初の四季醸造倉を設置されました。杜氏さんによる冬場だけの酒造りを早く工業生産化されたわけです。

次に、我々はこの記念館を後にし、バスで四季醸造倉の大手蔵の方に移動しました。そして、工業生産の状況を見学しました。バイオ化学等の近代的な分析法を導入した工程管理と、一方では「きき酒」という人による官能評価による工程検査とを併用された工程管理の状況を見せていただきました。常に安定した品質作りに取り組んでいる様子が理解できました。

見学を終えた後に、参加者全員で、吟醸酒、純米酒、普通酒、生酒の「きき酒」を体験し、質疑応答時間が設けられましたが、品質管理に関することや個人的なお酒の質問等が飛び交い、時間が終えられないほど賑やかな事業所見学会となりました。やや紅潮した顔で、帰路についた参加者の皆さんは、きっとどこかに立ち寄られたものと思います。

野口 博司(流通科学大・商学部教授)

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