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第296回中部支部事業所見学会
豊田紡織株式会社 刈谷工場
「環境調和型オイルフィルタの開発と生産システムについて」

 
掲載日:2004/03/23 ルポの一覧に戻る
平成16年1月29日(木)第296回(中部支部第71回)事業所見学会が、自動車産業の中心地愛知県刈谷市の豊田紡織株式会社 刈谷工場にて開催された。『環境調和型オイルフィルタの開発と生産システムについて』のテーマのもと、総勢30名が参加した。

豊田紡織(株)はトヨタグループ唯一の繊維関連メーカーとして、紡績で培った繊維技術をもとに、自動車用フィルタ事業と自動車用内外装事業でトップクラス。今後も自動車用のフィルタ総合メーカーおよび、車1台分の内装品をパッケージ開発・設計・生産する、内装システムサプライヤーとしても世界トップクラスを目指す企業である。

当日は中部支部幹事であり、同社刈谷工場刈谷製造部部長の山内様による同社の概要説明、第1生技部室長の土井様による「環境調和型オイルフィルタ」の開発経緯のご紹介後、工場見学をさせていただいた。

従来のオイルフィルタ製造ラインと「環境調和型オイルフィルタ」製造ラインの2種類のラインを比較できるよう案内いただいた。従来の、ろ紙を切出し折り曲げて組立製造するフィルタに対し、「環境調和型」は、ろ紙製造における中間工程での加熱・冷却の繰り返しを排除してエネルギー効率を2倍化。中間工程で発生する廃棄物を激減。有害物質をゼロ化する。など、画期的な工程を実現した。多くの技術的な課題をクリアし、(株)デンソーと共に「2002年大河内記念生産賞」を受賞したラインである。安定した大量生産を確立するために実施された様々な工夫を、現場・現物で詳しく説明していただき、参加者の多くがその技術の高さ、工夫の素晴らしさに感心した。

質疑応答では、設備のメンテナンス方法やトラブルの内容、モデルチェンジ時の設計変更方法、製品検査方法などについて活発に討議された。中でも、フィルタケースの印刷にじみなどの微妙な検査には、まだ人の目に頼っていることが多いと言われたことが印象的であった。

水谷 政昭(新日本製鐵(株))

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