去る10月6日(月)の午後、エス・バイ・エル(株)本社に於いて第87回関西支部講演会が開催された。
当日の参加者は56名で、高原慶一朗氏(ユニ・チャーム(株)代表取締役会長)の講演、講演を基にしたパネルディスカッション、総合質疑と熱のこもった議論が展開された。
[講演]
「企業経営と顧客価値創造」をテーマに、1.高原慶一朗の思い 2.戦略経営の基本 3.企業価値を構成する「三つの価値」を柱とした“対話型”の講演となった。
「三つの拡大好循環」、「三つのDNAの実践」、「リーダーの生き様」を切り口として、熱く思いが語られた。
個人の人生観が、産業観へつながり、国家観へと結びつくという基本的コンセプトを皮切りに、人間価値、会社価値、社会価値という三つの価値を高める戦略が企業を発展させる。それらを実現させるための手段として、人材育成と業績向上に主眼を置き、意欲・感度・能力を有する優れた人材を輩出すべく、企業、個人ともに変化をし続け、新しい価値創造ができるように、P-D-C-next・Actionで考えることが重要との語りかけであった。
多くの思いの中でも我々に送られたメッセージとして、“心の生活習慣病”、“変化価値論”、“原因自分論”などが挙げられる。当たり前を疑い、変化することで未知なる価値を創出し、他責で考えず、物事の原因と責任を自らの中に求めるというものであった。
[パネルディスカッション・総合質疑]
リーダーに岩崎日出男氏、パネラーの猪原正守氏を加え、フロアとの様々な意見交換が行われ、演者−参加者−パネラーの三者にとって価値あるものとなった。
今回の講演会をきっかけに、参加者個々の行動が新たな拡大好循環となるよう、個人、学会とが有機的に機能していくことに期待をしたい。
松井直樹(日本科学技術連盟)