4月25日(金)第288回(中部支部第68回)事業所見学会が陶磁器の常滑焼きで知られる愛知県常滑市沖の伊勢湾に浮かぶ中部国際空港島内の旅客ターミナルビル工事事務所にて開催された。テーマは『人工島における国際空港ビル建設の効率的な施工管理の実施』。募集から数日で定員に達し関心の高さが窺われた。また、今回は橋会長の参加をいただき名誉なことであった。
空港は2005年春開業に向けて全施設を建設中である。空港島面積約470ha。滑走路3,500m1本、旅客ターミナルビルは鉄骨造4階延床面積約220,000u、他付属建物群で構成されている。今回の見学対象のターミナルビル形状は鶴が翼を広げて飛んでいる姿をモチーフとしている。両翼を南北ウィングとし1,030m、頭部をセンターピアとし500mもの長さがある。
当日は、生憎霧雨の天候で、常滑港から見えるはずの壮大な伊勢湾の眺望が見られなかったのは残念であった。責任者の出迎えを頂き送迎バスで空港島に向かった。バスが島と結ばれた連絡橋をわたり始めると霧の中から巨大な連絡鉄道橋の橋脚や管制塔を始めとした工事中の諸施設群が見えてきた。車中その壮大な様子にしばし感動しつつ会場に到着した。
会場では発注者の空港会社様も臨席案内を戴いた。事業所責任者から人工島という困難な条件下で34ヶ月の長期間にわたり、長大な建造物を期日に完成させるための工事工程管理手法他の説明を受けた。総長1,500mにもおよぶ鉄骨梁、柱、トラス屋根組立の管理手法は建設業ならではの品質管理とものづくりを感じた。その後、広大な現場にて巨大なトラス屋根ユニットの吊り込みセット作業やガラス外壁ユニット板の取付作業を目の当たりにし建築施工精度管理を見学した。
活発な質疑応答の後、会長の講評も戴き見学会を終了した。帰途の車中、あらためて人間のものづくりの偉大さと力強さに思いを馳せつつ常滑駅にて解散した。
鳥内 道夫((株)竹中工務店)