創造的なものづくりマネジメント革新
−開発段階でのものづくりマネジメントと品質工学の活用−
第86回(中部支部第40回)講演会が、4月22日(火)に豊田工機(株)厚生年金基金会館「ういず」に於いて開催された。「創造的なものづくりマネジメント革新」というテーマで当初予定の120名を超える148名の参加を得て、大西中部支部長の開会挨拶に続き、下記の講演が行われた。
【講演1】「創造的もの作りマネジメント」
朝日大学 経営学部 教授 國澤 英雄氏
マネジメントについて日産、山一、長銀の事例を引きながら企業を発展させることも、破錠に追い込むこともあるマネジメントの必要性・意識と方法論について述べられ、さらに哲学という切り口からマネジメントを見るなど日頃の研究成果を講演いただいた。参加者からは「マネジメントに対する独特な切り口からの話が興味を呼んだ」、「開発段階でのもの作りという点についてもう少しお聞きしたかった」との声があった。
【講演2】「もぐら叩きからの脱却」
品質工学会 副会長 原 和彦 氏(関西品質工学研究会 前会長)
顧客の立場に立った高品質のモノ造りを進めることが社会的な生産性向上にとって必要であり、そのためには技術的思考(目的追求)重視のモノ造りが大切である。従来の問題解決型設計では、予測できなかった問題が発生する都度対策するという「もぐら叩き」が発生する。やり直しをしないモノ造りのためには技術開発型の品質工学に基づく設計(ロバスト設計)が重要である、ということについて両者の比較を交えてわかりやすく講演された。参加者からは「ロバスト設計の考え方について大変よく理解でき興味をもった」、「もう少し事例の紹介をしていただければより良かった」との声があった。
大西支部長のものづくりに対する熱意あふれる開講挨拶からはじまり、講演者お二方の示唆に満ちた講演があり、盛会のうちに終了した。
後藤 真治(トヨタ車体)