第285回事業所見学会は「独自の環境会計指標で取り組む企業の環境マネジメント」というテーマのもと、去る7月19日に参加者31名、学会事務局1名が、宝酒造柾シ戸工場を訪問した。見学センターにて広報VTR視聴後事業所内を見学し、その後宝酒造(株)の環境活動と緑字決算活動(当社独自の環境指標である「ECO:エコ」を用いた、企業活動の決算)についてのプレゼンテーションをいただいた。
当社は企業精神「自然の恵みを自然に返す」・「(社名の)宝は田から」のもと、早い時期(1979年)から積極的に自然保護活動に取り組んでおり、その後企業イメージ戦略・企業の社会的責任としての活動から現在は競争優位戦略としての環境活動を「エコチャレンジ21」として展開されている。
特筆すべきなのは、各種の環境活動の成果を独自の方法で指標化、これに基づき改善目標とプログラムを設定・推進している点である。もちろん、この指標(ECO)では環境負荷を削減する側面と同時に、社会貢献:地球へのお返しの側面も評価する仕組みになっている。質疑応答では上記の指標の他に、当社の製品に関連するものもあり、有意義な見学会であった。
なお、当社の緑字会計の詳細については下記URLにて公開されているので、是非ご覧いただきたい。 http://www.takarashuzo.co.jp/
日本のISO14001認証件数は世界一ではあるが、経営に直結し着実に成果を蓄積している宝酒造の環境活動は、多くの経営者にとって「認証取得の先」を示しているように感じた次第である。
松田啓寿((財)日本科学技術連盟)