9月20日、東京湾アクアラインの見学会が13名の参加を得て開催された。
当日はJR川崎駅に集合し、道路公団のバスで神奈川県の川崎と千葉県の木更津を結ぶアクアラインに向かった。
車内で「アクアライン開通後の環境保全へのとりくみ」の冊子の配布を受け、土木の最先端技術を結晶した建設当時のビデオを見ながら、直系13.9m、海面下60m、延長10kmの海底トンネルをくぐって東京湾の真中に浮かぶ人工島「海ほたる」に着いた。
海ほたるからは横浜、川崎、東京、千葉の方向のかなり遠くに超大型タンカー他数え切れない数の船舶が悠々と航海しているのが遠望される。
東京湾に沿って横須賀・横浜から君津までのビル群や大工場群が遠くに霞んで見える。
かすみが晴れるとディズニーランドも見えるそうである。
日本の経済活動のど真ん中にいることを感じる。
ただ、そのわりにはラインの交通量が少ないことが気掛かりである。
人工島に多くの観光客がいて、老人施設の車椅子の人達が看護師に付き添われて、明るい顔で記念撮影をしている観光施設でもある。
海ほたるの展示室で、橋とトンネルの構造や工法を説明するパネルを見ながら日本道路公団東京管理局、企画部道路環境課、アクアライン管理事務所の方々に質問し、丁寧に答えて頂いた。
建設にあたっては、自然環境及び社会環境との調和が重視され、環境への影響を極力小さくする種々の対策が行われている。
完成後は環境調査を継続し、環境への影響について確認している。
川崎側・湾央・木更津側の水質・底質・大気質・騒音・振動は建設事業中とその後で違いは生じていない。
陸域動物では個体数で変化がみられたが、周辺環境の変化のためと考えられている。
陸域植物には変化は認められていない。
景観その他にも問題は生じていない。
最後に、道路の床下にあって普段は見ることのない管理用道路、東京電力等の共同溝、緊急避難施設と、今後の道路拡張のための施設等を見学し、バスに乗り、橋を木更津側に渡って往復し、川崎駅で解散した。
安部季夫(埼玉工業大学)
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