第278回事業所見学会は、2月5日に参加者19名、学会事務局1名が、関西電力の2名のご案内で福井県大飯町にある関西電力大飯発電所を訪れた。ここは現在我が国における最大級出力の原子炉を持ち、関西電力の年間発電量のおよそ26%(平成12年度実績)を発電している。
当日、8:30にJR大阪駅前を出発し、阪神高速から中国道を経て舞鶴道を北上した。途中、車内で予備知識として原子力発電の原理・仕組みと、我が国と同様資源の少ないフランスでの原子力発電事情の紹介がビデオであった。
大飯発電所での見学は、「エルパークおおい“おおいり館”」でのプレゼンテーションに次いで、4号機の方に移動し、原子炉建屋を横に見ながら燃料取扱室、発電機を設置のタービン建屋、中央制御室の順で、見学コースを進んだ。このコースはシースルー方式になっており、随所に設置の模型や、パネルを見ながら細部まで説明を頂いた。最後に研修室で現業の方から原子力発電所としての安全管理、品質保証の説明をいただき、多岐にわたる活発な質疑応答が熱心になされ、15:20に帰路についた。
考えてみると、電力は消費者と生産者がリアルタイムに直結しており、しかも、製品の大量貯蔵は困難である。又、エネルギー資源の少ない我が国においては原子力の利用は不可欠であろう。その意味で、関西電力が生産者として安定した電力供給のため原子力施設の安全確保は言うに及ばず発電から末端の消費者までの施設について、安全と品質に並々ならぬ努力と注意を払っていることがよく理解できた。
末筆ながら、今回の見学会でお世話頂いた関西電力の皆さんにこの場を借りてお礼申し上げます。
宮武宏次(竹中工務店)