第79回講演会(中部支部第36回)が、5月22日(火)に豊田工機膜生年金基金会館「ういず」にて開催された。 「製造不良・事故の撲滅に向けて〜ヒューマンエラー発生のメカニズムとその対応への実践」というテーマで下記の講演が行われ、112名の参加者が熱心に聴講し、活発な質疑応答がなされた。
- 【講演1】「事故防止への新しい視点」
- 大阪大学大学院 人間科学研究科 助教授 臼井伸之介氏
ヒューマンエラーとヒューマンファクターの内容・関係について整理し、次にヒヤリハット事例の分析から、災害の背景にあるヒューマンファクターの解明を試みた調査結果を述べられた。
またその結果を現場へフィードバックする方法として、作業状況の背景にある種々の危険源を発見し、その対処方法を訓練するというヒューマンファクタートレーニングを推奨された。
参加者からは、災害に限らず製造不良が発生した場合においても、その背景にある心理的要因(急ぎ、面倒、思い込みなど)を深く追求する必要性を痛感したという声が多かった。
- 【講演2】「東海道新幹線の安全対策について」
- 東海旅客鉄道磨@取締役 安全対策部長 磯 哲 氏
新幹線の安全のしくみ、災害に備えた取り組み、ヒューマンエラーの防止などについてわかりやすく説明された。 特にヒューマンエラー防止に有効な「指差喚呼」は壇上で実演され好評であった。
また氏が述べられた「事故を起こしたくても起こせないしくみを作る」という言葉が印象的であった。 参加者からも、ハード面の整備だけでなく、人の要因を防ぐためにソフト面での訓練の重要性を感じたという声が多かった。
樋口誠司(愛三工業)
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