さる4月26日(木)に第268回事業所見学会が愛知県豊田市のアラコ(株)本社・吉原工場にて「アラコにおける品質造り込み活動」をテーマに52名の方々が参加して行われた。
アラコ(株)は、昭和22年に乗用車ボデー及び自動車部品を生産する荒川鈑金工業(株)として設立され、その後自動車用シートなどの内装品、そして現在では超小型電気自動車の開発・生産も行っている。生産された商品は、世界約150カ国に送り出されているが、全世界のお客様に安心と喜びを提供するための活動が行われている。また、地球環境を守る一人ひとりの取組みも重視され、平成11年には全工場でISO14001を認証取得された。
会社・工場概要の説明を受けた後の工場見学では、延べ100車型にも及ぶランドクルーザーのプレス・ボデー・組立工程を案内していただいた。プレス工程では、異物による凸凹不良を撲滅するためにFTAが活用されていた。ボデー工程では、品質不具合処置体系ルートの説明を受けたが、不良0のためには、トップダウンだけではなくボトムアップが大変重要であるとのお話が印象的であった。ここでは、「対話シート」という独自のシートを用い、基本の徹底を重視した活動が行われていた。また組立工程では、延べ100車型の混流生産の中、車両の流れる順に部品を並べる等、車型間工数差を小さくしたサイクリックな作業への取組みがなされていた。
工場見学後の質疑・応答では、品質向上活動とISOの関係や事技部門の仕事の質に関する討議が行われ、品質造り込みのための仕組み・マネジメント・ツールの望ましい姿の一端を見ることのできた、大変有意義な見学会であった。
小杉 敬彦(トヨタ自動車(株))