第265回事業所見学会が平成13年2月23日(金)に愛知県東海市の新日本製鐵(株)名古屋製鐵所にて開催された。新日鐵名古屋製鐵所は、中部圏唯一の鉄鋼一貫の製鉄所であり、近隣に自動車産業をはじめとする大型需要があり、供給商品は多様化している。
また、お客様ニーズへのきめ細かな対応に加えて、環境や社会への貢献にも多大な企業活動を展開している。具体的には、環境基本方針を掲げ地球環境保全、循環型社会構築、環境負荷低減対策に全社をあげて努力されている。その中で今回は、廃プラスチック再生資源化への取組みについて、VTR、施設見学、プレゼンテーションを通して熱心な活動の説明をいただいた。
2000年4月より施行された容器包装リサイクル法に基づき一般家庭から排出される容器包装プラスチックが自治体より分別回収され、同工場は2000年10月より再商品化の設備が稼動した。自治体から回収されたキューブ型の廃プラスチックは粗破砕、異物除去、脱塩化ビニルの前工程を経て、二次破砕した後、2cm角の減容成形品と姿を変える。これを石炭とブレンドし、コークス炉で高温・無酸素状態で乾留することにより、コークス、油化物、ガスに熱分解され、新たなプラスチック原料や燃料、還元剤として生まれ変わる。
リサイクル施設内は鉄工所の躍動的なイメージと異なり食品工場のようなクリーンな印象を抱かせた。ただし、夏場では家庭から分別回収された原料は多少の不純物は避けられないため、作業にあたっては別のご苦労もあるという。
山口 景生(魚国総本社)