第255回事業所見学会は平成12年2月16日水に東京都府中市のサントリー(株)武蔵野ビール工場で「TPM活動を基盤とした高品質・安定生産体制への取り組み」テーマの基に38名が参加して開催された.
武蔵野ビール工場は、1963年にサントリーがビール事業に進出した第一号の工場で、1988年には「デミング賞事業所賞」を受賞、その後TPM(Total
Productive Maintenance)に取り組み、1994年に「TPM優秀事業場賞」、1997年に「TPM優秀継続賞」を受賞している.
見学会では受賞後も継続的に実施されているTPM活動を中心に、21世紀にも勝ち抜いていける工場を作り、仕事の進め方の基本である「高い目標設定」、「ロスの顕在化・構造化」や「CA・PDCAへのこだわり」への取り組み、「スムーズフローの達成」を目標に高品質、安定生産体制の工場挙げての実施状況を今回の見学会のために特に用意されたスライドにより、武蔵野ビール工場 管理技師長本埜栄一氏・TPM推進担当 前田茂夫氏はじめ工場各セクションの方々より丁寧な説明を受けた.
特にTPM活動についてはZD運動に始まり、TQC活動からTPM・ISO/HACCPに至る活動の経過を問題点を含め説明が有り、今日の「21世紀の国際化社会を勝ち進む企業」に向けての強い意志と、「ブレイクルー21作戦」に至る取り組みの状況を目のあたりに体験する事が出来た.
説明の後の工場見学では「麦・ホップ・水」が基本のビール作りに接する事が出来、日頃親しんでいるビールが一層身近なものになった.また大都市近郊に位置する「都市型エコ・ブルーワリー」としての再資源化100%達成に至る苦労とISO14001の認証取得による環境保全の取り組みも実感した.
今回の見学のもう一つの楽しみ(?)であった見学後のフレッシュビールの試飲(おつまみ付き)をしながらの質疑応答では、ビール製造のいろはに始まり、TPM活動の推進に関する専門的な質問も含めて参加者から活発な発言が有り、予定した時間を超過するほどの盛況で大変有意義な見学会であった.
池田晃三(竹中工務店)