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第253回事業所見学会(関西支部)松下電工(株)A&I評価技術センター

アップデート:2000/4/12 ルポの一覧に戻る
去る平成11年9月16日木、第253回事業所見学会が大阪は門真市にある松下電工(株)A&I評価技術センターで行われ、熱帯性低気圧の影響による雨の中にもかかわらず約50名の参加者を集めた.

「A&I 快適を科学します」をスローガンにしている同社は、「Q=A&I 品質は A&Iの柱です」を念頭に、お客様と商品・サービスづくりの接点として、新たな価値を創造するため、1998年8月に同センターをオープンしたそうだ.そう言えば現場見学中に我々以外の見学者や、社員以外の業者(お客様)と思われる人達を、いたるところで見かけることが出来た.

学会側の開会挨拶の後、白川品管R&Dセンター所長から会社の概況やセンターの狙い、設備の概について説明がなされたが、事業の約半分48%が住宅関連、27.7%が非住宅関連、12.5%がシェーバーなどの電器、残る11.8%がPWBなどの材料部品とのことで、ほぼ3/4が建築に関連した事業とのことであった.またA&I評価技術センターは社会トレンドに対応した「品質づくりのプラットホーム」にしようと、「新」、「高」、「速」を狙いに、各事業分社からの派遣技術者を含めて約300名で運営する社長直轄の全社技術部門に属しているとのことであった.「新」は新しい魅力ある商品やサービスの創出、「高」は品質ロスを押さえ、効率のよい生産、「速」は人、情報、設備の共有によるスピード化である.

約20分間のビデオで現場の紹介を受けた後、2班に分かれて見学を行った.一つ一つの評価設備を見ると、多分同業他社でも同等の設備を保有していると思われるが、それらを一箇所に終結し物理的な距離を縮めることで、人(知識や経験)や情報の共有と相俟って、それぞれの相乗効果を発揮しているのではないだろうか.また、広大な工場敷地内のほぼ中央に設置されたこのセンターを会社の顔として公開するPR効果もさることながら、品質評価と新製品開発を自然な形で結び付けるモノづくりや、従業員に顧客優先の品質管理を意識づけることなどにも大いに貢献しているのではないかと感じた.

熱心な見学者が多く、案内する説明員も熱を帯びて予定時間をかなりオーバーしたため、事後の質疑応答の時間が充分とれなかったが、それでも2、3の質疑応答でより理解を深めて、散会するときにはもう雨もあがっていた.

荒川 泰蔵(シャープ)

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