第254回事業所見学会が、平成11年9月3日金に「日立製作所 豊川工場(PC:パーソナルコンピューターの製造)におけるサプライチェーンマネジメント構築の実際」のテーマにて開催された.現代の人気商品のPC生産工場ということで、多数の参加者(48名)を迎え、盛大であった.
まず、案内された会議室には、液晶ディスプレイのPCが各人に用意され説明のための写真、図、解説が画面に映し出され、次々に進んでいく光景は、さすが先端を行く工場だと感心させられた.FLORA200、300シリーズのPCとサーバを生産しており、各PCメーカーとの競争が激しい中、生産システムの改善を進めている状況の説明を受けた.
PC事業環境として、製品ライフサイクルが短い、部材の価格下落が早い、製品納期が短い、需要予測が困難という状況から、棚卸残数の圧縮、納入リードタイムの短縮等の改善を実施する必要があり、従来の見込み生産方式から受注組立生産、さらにお客様仕様生産方式に変更し、受注から出荷までのリードタイムを1日に短縮し、在庫日数も1日に短縮させたと説明され、環境の厳しさを改めて感じた.
品質管理についても、部品の受入検査、組立後の高温エージング検査、最終段階でOS接続し機能検査を実施し、不良の検出を行っている.このような工程を経て、お客様に安心して使って頂ける商品を提供しようという姿勢が伺えた.
日頃、何気なくインターネットやE-mailなどで使用しているPCの生産、品質管理の現場を目の当たりにして、PCメーカー間の競争の激しさ、日々、改善の必要性を痛感した.参加各企業の方々も大いに参考になる見学会であった.