平成11年6月30日(水)第247回事業所見学会がアサヒビール株式会社西宮工場において「アサヒビール(株)西宮工場における再資源化の取り組み」というテーマで46名が参加して行われた.
同社は皆様お馴染みのビールメーカーであり,テレビCMで放送されているように,全工場において再資源化100%を達成しており,環境への取り組みを全社をあげて推進しておられる会社である.
西宮工場は,年間の生産量がビール大ビンにして約7億本分にのぼる日本一の生産量と出荷量を誇る工場である.当日は,まずはじめに再資源化に西宮工場がどう取り組んだかについて説明が行われた.再資源化100%を達成するには徹底した分別収集が重要であるということであった.その現場のゴミについては,その現場の人がよく知っているという考えのもとに,各現場に応じた分別収集のやり方を工夫していた.説明の最後には,「空きビンはゴミでなく再利用するものだ」ということを強調されていた.
質疑応答では,参加者からいろいろな質問があり活発な討論が行われた.その中でも特に印象に残ったものが幾つかあった.
ひとつは,コストに関する質問である.再資源化を徹底するには,相当の費用がかかるのではないかということに対し,同社では運送費が莫大にかかってしまうということであった.しかし,環境のことは無視することは出来ず,かといって商品の売り値を上げることも出来ない.そこで,固定費を下げるなど他のところでコストダウンを図り,そこで出た利益を再資源化のためにあてるということであった.このことは同社の環境を汚さないという強い意志が感じられた.
もうひとつは,再資源化の活動を徹底することの難しさについてのものである.はじめはみんなやるが,しばらくするとそれが徹底されなくなる.それに対処するために繰り返し教育を行ったということであった.
次に同工場内の見学が行われ,原料の加工から商品の箱詰めまでのビール生産の一連の工程を見ることが出来た.
最後に,参加者全員で作りたてのビールの試飲を行い舌鼓をうった.
山来 寧志(大阪電気通信大学)