さる5月7日金第249回事業所見学会が,豊田メタル株式会社半田工場で「変資源のリサイタル」をテーマに34名が参加して行われた.
豊田メタル(株)は創立が1970年で,主に自動車の金属屑類および非金属屑類の回収・加工並びに販売を営業目的としている.
特色として(1)世界最新鋭の大規模リサイクル工場(2)新システム非鉄選別装置による非鉄金属の回収(3)鉄・アルミ・ステンレススクラップ等の総合資源リサイクルに挑戦している企業である.
「変資源のリサイクル」については,地球規模での環境問題がクローズアップされて以来,不可欠なテーマであり,今回まさに,自動車解体後の廃車が,リサイクルされている工程を非常に興味深く見学でき,意義のあるものとなった.
工場では廃車がシュレッダープラントにより(1)鉄スクラップ(2)非鉄金属(3)シュレッダーダストに粗分別される. その後シュレッダーダストは,自動リサイクルプラントにより徹底した再分類で鉄・銅・アルミ・ガラス・発砲ウレタン,繊維類・樹脂・ゴムなどの製品となる状況を見ることができた.
特にゴミとアルミ材を分別する過程では何度も選別を繰り返し,純度の高い製品を得る作業には感心した. また,最終工程で,スクラップの車がウレタン・ガラス・アルミなどの製品に生まれ変わった姿は大変すばらしく感動をおぼえた.
廃車処理全体のリサイクル率では,鉄および非鉄金属81%,ダスト19%(ダスト内訳:防音材10%・助燃材30%・銅,ガラス10%・溶融固形処理埋立50%程度)と無駄なく利用されていることがわかった.
見学後の質疑応答では(1)トラックなども車種も対象としているか(2)作業員の技能教育について(3)パソコンのリサイクルについて(4)シュレッダーのメンテについてなど,巾広い質問があり,参加者のリサイクルに対する関心の深さが伺えた.
今回の見学会を通じて,廃車(ゴミ)が熱意と総意・工夫のリサイクルにより宝の山になることをあらためて痛感した見学会であった.
服部 裕(竹中工務店)