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第246回事業所見学会(中部支部) ヤマハ発動機(株)本社工場

アップデート:1999/7/5 ルポの一覧に戻る
さる3月4日,第246回事業所見学会がヤマハ発動機(株)本社工場で「変種変量生産におけるものづくりの構造改革」をテーマに47名が参加して行われた.

ヤマハ発動機(株)は1955年の創業で,「世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する」を企業理念とした感動創造企業である.

生産品目はモーターサイクル,ボート,ヨット,マリンジェット,自動車エンジンなど多岐に亘っている.

今回はモーターサイクルの工場を見学させていただいた.モーターサイクルの生産は本社工場を中心に半径20q以内で行われており,各工場が鋳造,加工工程,組立工程など機能単位で形成されているのも特色である.

モーターサイクルは新機種を投入して2年目でピークをむかえ,その後減衰するという短いライフサイクルに加え,季節によって売上が変動することなどの受注特性に対応するために変種変量生産方式を作り上げてきた.

その1つがリードタイム短縮活動である.「CCS(Customer and Community Satisfaction)リードタイム短縮」と称する,情報処理・製造・ロジスティックの3つのリードタイム短縮活動により,市場情報の取込みのスピード化と生産の流れ化を図っている.

これにより従来生産要求があってから3ヶ月で対応していたのを1ヶ月で対応できるようになったのは驚きに値する.加えて製品在庫もリードタイムの短縮により需要にあわせた生産が可能になったことで大幅に圧縮している.

5Sの行き届いた工場内では混流生産の流れ化を図るための可変ピッチコンベアをはじめとし,必要に応じてラインを改造し多品種に対応できるようにするなど,様々な工夫により3種類あるラインを生産の変動に対してうまく使い分けることで生産の平準化を図っている.

この活動を陰で支えているのがTPM活動であることも見逃せない.

この変革の時代の中で市場の動きにすばやく対応するためのものづくりに対するアプローチ,その答えの多くをこの見学会で垣間見たような気がする.

永井 利孝(アマダワシノ)

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