第245回事業所見学会は3月16日火に群馬県伊勢崎市のサンデン株式会社八斗島事業所で「S・TQM活動の取り組みについて」のテーマで申込者全員29名が参加して開催された.
1943年創業のサンデン(株)は94年よりサンデンTQM(S・TQM)として全社的マネージメント品質向上に活動を広げ,1998年度デミング賞実施賞を受賞された.
「冷やす」「暖める」をコア技術とし,これらを応用・展開した自動車機器製品・流通システム製品・住環境製品を主要製品として,国内及び国外の区別なくグローバル企業を目指し,社員数約7800名,売上高約2200億円の先進の快適環境を追求する企業である.今回の事業所見学会は主に,カーエアコン用コンプレッサー・エバポレーター・コンデンサーを製造する八斗島事業所を訪問した.
3交代制のフル生産が続く大変ご多忙の中,本社S・TQM推進事務局の岩崎局長,コンプレッサー品質保証部小峰部長をはじめスタッフの方々の木目細かな事前準備の元に,分刻みのスケジュールが用意され,実にスムーズに進められた.事業所の紹介・サンデン(株)の品質管理活動の特徴である「S・TQM」の概要説明の後,カーエアコン関連製品の製造工程を工場関係者の詳細な説明を受けながら約1時間の見学が行われた.
工場見学の印象としては整然とした製造ラインにも増して参加者が感銘を受けたのは,すべての従業員に浸透したS・TQMの考え方と,各所に設置された各階層別の活動板(掲示板)に示されている徹底した実施と管理状態であった.
工場見学後の質疑応答では,方針管理・小集団活動の実施状況・CS活動・ESの取り組み・営業部門の実施内容等々,サンデン(株)のS・TQM活動全般にわたる活発な討議が行われ予定の時間では不足するほどであった.
今回はデミング賞受賞会社の生の活動の状況を見学する機会が与えられたこともあって,参加者の関心も非常に高く有意義な見学会であった.
池田 晃三(竹中工務店)