11月5日,第244回事業所見学会が樺|中工務店・阪急ファイブ新築工事作業所で開催された. 阪急ファイブはこの新築工事によってHEP・FIVEとして生まれ変わるが,屋上(実際には7階部)に大観覧車を擁するビルとして,キタの新名所になることが期待されている.
当日は,建物とその工事概要が竹中工務店より紹介された後,早速,オープン前であるにも拘らず,現場の見学をさせて頂いた.
そしてなんと,この大観覧車に全員が試乗させてもらい,最高到達点106からの箱庭のような大阪の街並み,鉄道模型のような大阪駅等を眼下にした,一周約15分の空中散歩は一時を童心にかえらせ,存分に楽しむことができた.
その後約1時間ほどをかけ,各テナントやこれも注目度の高い石井龍也氏プロデュースのモニュメント(赤い大きな鯨)等を非常に丁寧に説明して頂き,見学を終了した.
引き続き竹中工務店の設計担当者及び,施工担当者より,この阪急ファイブ新築工事の設計及び施工に当たってのコンセプト,信頼性に関する問題点とその対策についての説明を受けた.
竹中工務店としては大観覧車を初めて手がけるのみならず,世界でも類を見ないビルと大観覧車を一体化するという挑戦に対して,“風による観覧車の揺れ”,“地震対策”,“観覧車とビルの接合”,“狭いスペースでの施工”等,多くの克服すべき課題があり,これらの課題を抽出する過程でわれわれにも馴染みの深い,FMEAを使われたとのことである.
信頼性を確保するためにはどのような対象物であろうと,標準化された手法は有効であることを実感した.
このようなすばらしい見学会を開催して頂いた竹中工務店に心より感謝します.
このルポを執筆している11月28日は,まさにHEP・FIVEのオープン日である.
明日の日曜日は子供を連れてHEP・FIVEに行き,大観覧車の中でこれらの話をしてあげよう.少し自慢気に.
越山 卓(日本電気ホームエレクトロニクス)