8月26日(水)第242回事業所見学会が福井県の敦賀半島に位置する,関西電力(株)美浜発電所において「原子力発電所の品質保証活動について」をテーマに開催された.
当地には核燃料サイクル開発機構や日本原電の発電所も立地しているが,当発電所は豊かな自然と見事に融和して立地している. この美浜発電所には3機のプラントがあり,その1号機は日本最初の加圧水型商業炉として昭和42年8月に着工し,昭和45年の日本万国博に「原子の灯」として送られた.
当日は,まず最初にPRセンターにおいて美浜発電所の概要についての説明を受けた. この中で,安全性をきわめて重視した生産(発電)活動と地域社会への貢献をも視野に入れた取り組みが印象的であった.
続く発電施設の見学では,3号機の管理区域内及び中央制御室,1号機タービン建屋等を中心にコース設定をしていただいた. 3号機ではチリひとつ無い区域内での入退出あるいは被ばく線量の管理,二重三重のフューエルセーフ等,厳重な管理のもとに作業が進められている.
また,タービン建屋内では,現在定期検査中とのことで,タービンの解体検査の状況を見ることができたが,ここでも巨大な附属部品の解体,検査,組立てが整然と進められている.
日頃は何気なく使っている電気であるが,厳密な管理のもとで生産されているのを目のあたりにし,感動すら覚えるものであった. その後の「原子力発電所の品質保証について」の説明と質疑では,全従業員の方々の教育・訓練を中心に,保全活動,作業管理をも含め,その仕組がしっかり構築・実践されており,定期検査を除けば,ほぼ100%の稼働率の背景をうかがい知ることができる.
今回の見学会を通じ「過去の不具合を陳腐化させない様,品質意識の維持・向上をはかる」ための諸活動の実践に直接触れることができたことは,参加各企業の今後の活動を進めるうえで,大いに参となる見学会となった.
今村 士郎(竹中工務店)