さる2月25日(水),第235回事業所見学会がトヨタ自動車(株)春日井事業所で「住む人の立場に立った魅力ある住宅づくり〜品質の向上と工期短縮の追求〜」をテーマに42名が参加して行われた.
今回の事業所見学先であるトヨタ自動車(株)春日井事業所は住宅(トヨタホーム)をつくる工場である.
ご存知のようにトヨタ自動車は世界を代表する自動車メーカーである.
そこではクルマづくりのノウハウを活かした高い生産技術力により,工業生産化率85%という高度に工業化された生産体制で住宅を製造しているのには目を見はるものがある.
その結果基礎から完成まで40日〜45日という業界でも屈指の高い施工期間を実現するとともに安定した品質を確保している.
自動化,無人化された工場内には溶接ロボットが正確な作業を行い,大きな工場内を無人搬送車が所狭しと行き交っている.
そのような機械化されたなかにも細かな仕上げを必要とする木工組み付けでは人手による匠の技も活かされている.
儀装ラインでは,トヨタホーム自慢の強度に優れた鉄骨ラーメン構造でつくられたユニットごとの枠組みが,コンベアにのった流れ作業で内装まで仕上げられる.
その姿はまるで目の前を芝居のセットが通り過ぎていくような光景であり,まさに工場で作る家を実感させられる.
製品の機能面でも自動車の塗装技術を応用した「カチオン電着塗装」や光清浄換気扇「エアナビ」など,クルマづくりで培った技術が十分に活かされているのがトヨタホームの大きな特長である.
工場出荷後の作業現場の品質についても,施工マニュアルの充実や各工程のステップごとに写真を撮るなどして施工のプロセスをチェックすることでしっかりと品質をつくりこんでいる.
見学後の質疑応答でも活発な討論が交わされ時間を延長しなければならないほどであった.
注文生産でありながら短納期で安定した品質,「お客様の顔が見える住宅づくり」を肌で感じ実感した見学会であった.
永井 利孝(アマダワシノ)