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第231回事業所見学会(中部支部)ルポ ブラザー工業刈谷工場

アップデート:1998/6/23 ルポの一覧に戻る

名古屋からJR東海道線で東京へ向かう途中,刈谷駅を過ぎた左手に広大な敷地の中に緑豊かな木々と芝生に囲まれた工場を見ることが出来る.

さる8月20日(水),ブラザー工業滑谷工場で「ISO14001取得の経緯と環境活動」をテーマに,第231回事業所見学会が開催された.

ブラザー工業は,1908年の創業で,ミシン,タイプライターのトップメーカとしての地位を確立するとともに,近年ではファクシミリ,通信カラオケなど,先端テクノロジー分野へと事業領域を拡大している企業である.

テーマであるISO14001取得への取り組みでは,公害防止,廃棄物管理等の分野毎に事業部を横断したW/Gを結成し,環境影響評価基準をもとに自主評価を行い環境保全のための目標と計画を制定した. さらに計画を推進するために刈谷工場独自の手順書を27件作成するなど,これらの活動がJQAに認められ97年2月に認証を取得するに至った.

工場見学では,まず環境負荷低減のために設置された生活排水によるBOD,窒索負荷の生物分解型排水処理装置,水系切削油等の減容化処理能力を兼ね備えた焼却炉等の施設を見学し,その後,工場内で徹底されている廃棄物の分別収集活動を見学した. これらの取り組みにより,現在一般排出物におけるリサイクルの割合が60%にも達しており,これらの活動成果を伺い知ることができた.

見学後の質疑応答では,ISO14001取得の具体的な取り組みに関する質問はもとより,企業と地域社会との共存のための取り組みなどについて活発な議論が行われた.

今回,ブラザー工業において,工場や周辺地域における環境への配慮から,環境に調和した製品設計に至るまでの環境保全活動を伺い,近年,産業廃棄物問題がクローズアップされる中,改めて地球環境に対する企業の役割りについて考えさせられる見学会であった.

伊崎 義則(デンソー)

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