日本品質管理学会,日本経営工学会,日本オペレーションズ・リサーチ学会3学会共催の講演会が7月11日(金)名古屋工業大学において,開催された.
当日は強い雨にもかかわらず約100名の参加者で会場は埋め尽くされた.
■【講義1】「統計的方法の教育について」
岡山大学 経済学部 助教授 永田 靖 氏
- 統計的方法について犯しやすい過ちと注意
- よい講義をするには
- これからの統計教育
の3つの内容を多くの事例を入れて講演が行われた.日ごろ見落としやすい点や犯しやすい過ちを身近な事例を使い,分かりやすく解説が行われた.
■【特別講演】「仮説検証型データベースマーケティングの実践例について」
さくら情報システム渇c業本部 開発営業部長 山品 良樹 氏
金融ビッグバンを間近にした銀行の課題から顧客情報(データ)活用の重要性の講演が行われた.マーケティングの目的が市場シェア優先から顧客シェアをいかに高めるかということに変わってきており,マルチメディア型のマーケティング活動について,現在実施中の活動について紹介された.
■【講義2】「カオスとその応用」
(株)明電舎システム技術部 主任技師 五百旗頭 正 氏
近年研究が注目されてきたカオスについて,カオスとは何か,カオス研究の歴史,決定論的カオスの解説,産業分野において応用が期待される時系列予測と異常診断に関して講義が行われた.
従来ノイズがあり不規則性に見える事象に,何らかの決定論的規則性を見出して近未来を予測する決定論的非線形短期予測手法(ファジーも活用)の説明と予測結果が紹介された.
これまで予測や診断が困難とされてきた事象に関する予測・診断手法としての適用が期待される.
■【講義3】「21世紀情報社会の展望−Javeによる情報発信−」
名古屋工業大学 電気情報工学科 教授 岩田 彰 氏
離れた場所にいる人同士でも会って話をするのと同じ環境を提供するのがマルチメディアとの定義があり,マルチメディアの一つとして活用が急速に発展しているWWW(World
Wide Web)の仕組みと限界が述べられ,その限界に実現することができる言語としてJAVAの紹介が行われた.名古屋工業大学の岩田研究室のホームページに会場内のパソコンを接続して,JAVA言語を使用した文字認識デモンストレーションが行われ,JAVA言語で書かれたプログラムがホームページから会場のパソコンに送られ実行することを目の当たりにすることができ,その有効性を認識することができた.
村松次郎(豊田工機)