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第229回事業所見学会(関西支部)ルポ 日清食品・滋賀工場

アップデート:1998/3/2 ルポの一覧に戻る

去る7月10日(木),第229回事業所見学会が,即席麺のトップメーカー日清食品且賀工場において、「PL法に向けた品質管理について−日清食品のPL対策を中心として−」をテーマに54名の参加のもと開催された. 即席麺は,今や国内で年間52億食,世界で350〜 400億食が消費される巨大マーケットであり,メーカーも世界250社にのぼるそうである. その中でも日清食品は,即席麺のパイオニアであり,リーディングカンパニーとして知られている.当日は西日本向け生産拠点である滋賀工場の製造ラインを見学させて頂いた.

滋賀工場では,年間5億5千万食,繁忙期には1日約300万食もの即席麺を,製麺,カップ充填,包装に至るまでの全工程を高度に自動化した生産ラインにより製造しているが,そのスピードは驚くべきものであった. そのラインにも様々な工夫がこらされており,例えばカップに充填工程では,出来上がった麺をカップに充填するのではなく,麺にカップをかぶせるという「逆転の発想」が活かされていた.

PL対策としては,特に製造上の欠陥対策が印象に残った.まず,エビ,肉などの具材については,約50人の体制で「異物がないか」等全品の受入れ検査を徹底しているとのこと. また,製造ラインでは各オペレーターが麺の厚み,具材の量の確認,日付の印刷,包装状態等各段階毎の品質基準を満足しているのかチェックを行っている他,週に1回食品検査センターにおける品質統一のためのチェックが為されている. さらに日清食品の品質管理における特徴的なものとして強調されていたのが,品質基準通りに工場で製品が作られているかどうかの査察業務のみを受け持つ、NICセンター(Nissin_Inspection_Control_Center)と呼ばれる組織の存在である.

数多くのヒット商品を出されている日清食品であるが,それらもこのような徹底した品質管理に裏打ちされてこそ存在するのだということを改めて認識させられた有意義な見学会であった.

中村 博一(関西電力)

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