Echoシステム、クイックル・ワイパーなどで有名な花王(株)の花王生活科学研究所(以下、生活研:東京都墨田区文花)の見学会が2月5日に開催された。参加者は当初30名の応募に対して100名以上の応募があり、急遽定員を2倍にお願いしたほど好評の見学会であった。
まず、神田行事委員長から挨拶があり、続いて生活研の大井護部長から会社概要、生活研の活動、特にKAO New Echo System(以下、Echoシステム)について詳細な説明があった。
生活研は、花王製品が平均46個 / 世帯・年使用され、誰でもが毎日使う家庭用品であるため反応が早く、意見がすぐ出る、また単価が安く、購入頻度が高いため悪いとすぐ他社製品に代るので消費者とのコミュニケーションが重要であるとの考えから1971年に前組織を改編、発足した。この生活研は、@消費者相談、A消費者交流、(行政、教育界や消費者団体などとの交流)、B生活科学研究(生活者の意識、行動の体系的把握と科学的検証など)の3部門で構成されている。
Echoシステムは、お客様からの相談・苦情に正確・迅速・親切に対応し、消費者の声を企業活動へ反映するための相談窓口支援システム、相談結果の入力システムと解析システムで構成されている。相談や苦情は年間約7万件も寄せられる。
お客様からの相談・苦情は、商品外観などのカラー自然画情報と商品・生活情報などの白黒のイメージ情報を制御するワークステーションを操作しながら10名が対応している。
これらの情報はインプットされ、解析されたDBを各部門の端末でのオンライン検索や生活研が消費者の代弁者として発言することによって商品の改善・改良、商品開発などに有効に活用されている。
参加者が多いため2班に分かれて、化粧品工場の見学と相談室でのデモンストレーションが行われた。
最後に活発なQ&Aが行われ、定刻になったため質問を打ち切り、散会した。短時間であったが極めて有益な見学会であった。
八丹 正義 (キリンビール)