ISO 9000の普及の広がりによって,その解説書・ガイド等が多く出されている.
これらの中でISOを,TQC,TQM(以下TQMと記す)と比較しているものが散見される.
ところがその内容は,TQMに対する知識不足や誤解(?)によると思われるいくつかの誤った考え方が記述されている.
- 『誤りの例1:ISOは「トップダウン」であるが,TQMは「ボトムアップ」』
- TQMにはTを冠しており,基本的にトップダウンである.(実施面でミドルアップ,ボトムアップも含むだけのこと)
- 『誤りの例2:TQMは「以心伝心型」,「あうんの呼吸」』
- TQMを行っていない会社は,そうかも知れない.TQMは「あうんの呼吸」ではなく,データに基づいて論理的に意思疎通を図る.
- 『誤りの例3:ISOは「論理的考え方」であるが,TQMは「情緒的考え方」』
- 「TQMが情緒的」とは中傷である.TQMは,科学的・合理的・創造的な考え方を尊重する.
最近は品質管理を知らない人もISOに参入して来ており,このような誤りが信じられてしまう懸念がある.
TQMに係わる者として,この状況を是正しなければならないと思う.