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JSQCニューズ 2014年 6月 No.333

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■トピックス:関西支部の活動紹介
■私の提言:子供たちに残せる安全安心社会の実現について (State of the Artを目指して)
・PDF版はこちらをクリックしてください →news333.pdf

トピックス
関西支部の活動紹介

理事/関西大学経済学部 橋本 紀子

 関西支部の創立は1990年、第43年度が24年目となる。近畿地方の2府4県(大阪,京都,兵庫,奈良,滋賀,和歌山)を対象に、地域の特徴に合わせた事業を企画・展開している。
 なお、各種行事への参加は本部や支部の区別なく参加できる。より多くの方にご参加いただくため、関西支部では昨年度から、メールニュースとして行事案内を中国、四国、九州地区の会員の方々へも送信している。
 今日、日本企業が世界経済の中で勝ち残っていくためには多くの課題が存する。そのような中、品質管理の役割は、日本の産業を支えてきた「ものづくり」「ことづくり」の基盤をより堅固で革新的なものにしていく上で、従来にも増して大きくなっている。
 関西支部ではこのような考えに立ち、品質管理のレベル向上に期するため、品質力、組織・マネジメント力、現場力、顧客対応力の向上策を提言するさまざまな事業活動を行っている。以下、事業内容について、42年度の実績および43年度の計画を紹介する。
 a)研究会:会員の研鑽、質的向上を図るため、現在、3つの研究会が概ね1ヶ月に1回のペースで活動を行っている。(1)新たなSQCの開発・実践を行うこと、誤用を防ぐために既存SQCの再検討を行うことを通してSQC活動の活性化をめざす「統計的品質情報解析研究会」、(2)マネジメントの課題を階層的に取り上げ、数々のQC技術をベースに科学的な先手管理、源流管理へのアプローチの体系化を目指す「科学的先手管理アプローチ研究会」、C企業のみならず学校でも使える、品質管理ひいてはものづくりに興味を持ち理解を助けるための教材やマニュアル作成をめざす「品質管理教育教材開発研究会」。
 b)研究発表会:会員の品質管理のレベル向上のため、広く産学の研究成果を発表する場を設けている。数年前に体制を見直し、次のような活性化策を講じた。研究セッションに加え事例セッションを設け、優れた発表に優秀発表賞を授与するようにした。さらに、従来にないテーマでの特別講演を企画している。本年度もこの形式で、例年と同じく7月に発表申込を募り、9月に開催を予定している。
 c)シンポジウム:企業の品質管理活動、大学の研究活動に寄与するため、会員の相互研鑽に資する場として、年に1回、シンポジウムを行っている。今、最も要求されている、活発な議論のできるテーマを選定している。
 42年度は「ビジネス、ヒット事業の作り方」をテーマとしたが、本年度は7月に「東レの先端素材開発とグローバルものづくり」「日産自動車における未然防止手法“Quick DR”」の講演の後、「設計開発の質向上〜固有技術の展開・未然防止の進め方〜」のテーマでのパネルディスカッションを行う予定である。
 d)講演会:品質管理に関する有益な内容を会員に提供し、「ものづくり」「ことづくり」の発展に寄与する場として、年に1回、講演会を行っている。42年度のテーマは「世界にはばたく日本型新商品開発と技術開発の実践例」(ダイキン工業梶A椛コ田製作所の事例紹介)であったが、今年度は6月に「グローバル市場での人材育成と品質保証実践例」と題し、シャープ鰍ィよび本田技研工業鰍フ事例を講演いただく。
 e)事業所見学会:年2回、特色のある事業所の見学を行っている。42年度は災害報道の品質(NHK大阪放送局)、ダイヘンならではのものづくり(潟_イヘン六甲事業所)について見聞を広めたが、43年度は3月にNITE製品安全センター、6月に樺ヨ本チエインでの見学会を行い、製品安全管理やモノづくり力についての知見を深める。
 f)QCサロン:講演者とざっくばらんに質疑応答ができるサロン形式の小講演会を年に5回、偶数月に行っている(12月は休会)。内容は講演者にお任せするが、「人材」や「グローバル」に繋がるテーマでのお話をお願いしている。
 以上が、関西支部の活動概要である。なお、関西支部では支部活動に関する各種データの収集・管理・解析をもとに支部活動の現状把握、さらなる品質管理活動の活性化を期している。今後の行事をぜひご期待いただきたい。


私の提言
子供たちに残せる安全安心社会の実現について (State of the Artを目指して)

 
パナソニック株式会社 杉原 健治

 松下幸之助氏は、西宮の自宅(光雲壮)を300年後の人たちに向けて、今の技術や文化財として残し役立てもらおうと考え建築した。自分のものだけではなく、何世代にもわたり、未来のことを考えての決断であった。私は、素晴らしいことだと感銘を受けた。
 数年前に起こった、神話のような大震災と災害事故は記憶から消すことは出来ないほどの衝撃を残し人生観までも変えられてしまうような出来事であったことは間違いない。そのような衝撃を受けても、私たち大人は嘆いてばかりいられない。強く生きていかなければならない。
 このことは、今後の安全社会をどう子供たちに残せるか、これが大きな課題として突きつけられていると感じた。昨年開催した安全安心シンポジュウムは、日本科学技術連盟主催、場所は東京大学にて、10名もの先生方(向殿先生、水流先生、ノイドルファ先生など)がご登壇いただき素晴らしいお話をいただけた。
 このような中で、今の知見で未然に防げたことが沢山あったのではと感じた。いまさら過去には戻れない。しかし私たちの未来は今から作れる。安全安心社会を築く為には、未来を作って行く子供たちに教えないといけないと気づかされた。
 子供たちの身近な安全(危険を未然に見つけて回避する方法)を家庭や学校また地域社会に広げていくために、まず安全の教科書作りをはじめたい。それを日本の子供たちに広め、大人になったとき、安全を実現する社会を日本で出来るようにしたい。リスクアセスメントの出来る幼稚園児や小学生を育てるのが夢である。
 それが成功すれば、英訳や各国の言語に翻訳して、世界の子供たちに教えていける人を育てたいと思っている。その子供達の作る未来が安全な社会となることで、安心して帰れる場所が出来るのではないかと考えている。私一人では微力すぎて夢のままで終わってしまう。それを皆さんと共に出来れば幸せな安全安心社会の実現が夢ではなくなる。
  “この夢が未来”


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