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学会誌「品質」
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JSQCニューズ 2005 11月 No.264

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■トピックス:医療の質・安全部会立ち上がる
■私の提言:品質立国日本実現に向けた品質管理学会への期待
・PDF版はこちらをクリックしてください →news264.pdf

■ トピックス
  医療の質・安全部会立ち上がる
  ―部会員を募集します―

医療の質・安全部会 部会長・早稲田大学理工学部 棟近 雅彦
JSQCの3つ目の部会である「医療の質・安全部会」が9月12日の理事会で承認され発足しました。

1.部会の意義
医療の質・安全の向上が、近年、より大きな社会的課題となってきています。JSQCでは、医療関連テーマの研究会、医療分野特別委員会などで、医療の質・安全に関するテーマに取り組んできました。同テーマに取り組む研究者も増え、研究発表会での発表件数も増加してきました。工業界で発展してきた質マネジメントの方法論を医療に適用する研究が進められ、徐々に成果が出始めています。
これまで、質マネジメントの対象領域としては、製造業や一部のサービス業が中心であり、医療の質マネジメントに関する医学、工学の連携は希薄でした。ところが、徐々に共同研究が行われるようになって、「医学系と工学系の実務家、研究者が、共同で医療の質・安全に関する課題に取り組むことは大変有意義である」という認識が強くなってきました。
残念ながら医療の質マネジメントは遅れているといわざるを得ず、課題が山積です。今後より一層この分野の研究を進める必要がありますが、医療の質・安全を主要な研究領域とし、医学系、工学系が融合する場を提供する学会はJSQC以外にありません。より多くの人が、この研究課題の重要性を認識し、医学系、工学系の融合の場に進入してもらうためには、医療の質・安全を看板に掲げた学術研究の場が不可欠です。そのような場を、この研究領域で工学系として先駆的な活動を行ってきたJSQCに設立することは有意義であり、JSQCの発展にも大きく寄与すると考えられます。

2.部会の目的と活動
本部会の対象分野としては、医療、介護、保健に関わる領域(総称して医療または医療分野と呼びます)です。部会の目標は、医療の質・安全のためのマネジメント技法の開発です。特に医療における質マネジメントシステムの確立をめざします。そのために、厚生労働科学研究事業として「患者状態適応型パスシステム(PCAPS)に関する研究」および「医療の質マネジメントシステムに関する研究」を進めている研究グループ、および「JSQC医療経営の総合的「質」研究会」などと歩調を合わせ、シンポジウム、ワークショップ、研究会などを開催いたします。
当面は、患者状態適応型パス、ISO9001に基づく医療版QMSの開発、精緻化を中心に研究を進めます。また、新たな研究課題の検討も進め、必要に応じて新規研究会を立ち上げます。
研究成果は、JSQC研究発表会、「品質」誌を中心に公表してまいります。また、医療関係の他学会と協力して、シンポジウム、ワークショップを開催し、医療界へも研究成果が啓蒙されるように工夫いたします。
医療の質・安全に関わる教育・啓蒙活動も進めます。「医療者のための質マネジメント基礎講座」をはじめとして、質マネジメントの基礎教育、研究成果の解説など、様々な催しを企画してまいります。

3.部会の構成と今後
部会の設立は、9月の理事会で承認されました。当面は、
部会長 棟近雅彦(早稲田大学理工学術院教授)
副部会長 水流聡子(東京大学大学院工学系研究科助教授)、
永井庸次(日立製作所水戸総合病院院長)
会計担当 加藤信子(早稲田大学理工学術院)、
永松美香子(早稲田大学理工学術院)
が運営管理を担当します。この他に、数名の方に幹事をお願いし、幹事会を中心に今後の活動を計画いたします。
部会に参加される方々を、後出の要領(P3)で募集いたします。また、第1回の部会会合を12月10日(土)17時から、日本科学技術連盟千駄ヶ谷本部で開催いたします。多くの方々の参加を期待しています。


■ 私の提言
  品質立国日本実現に向けた品質管理学会への期待

広島工業大学 久保田 洋志
私は、この2年間、学会誌編集委員会委員長として、指導的立場で活躍中の委員と特集論文執筆者に恵まれて任務を遂行できたことを感謝しています。本委員会では、品質立国日本実現を希求し、それぞれ、品質管理学会の高橋朗前会長と飯塚悦功現会長が提唱した「質創造」と「Q-Japan構想」を核に展開して、『Q-Japan構想』、『ナレジマネジメントの工学的アプローチ』、『産業競争力と国際標準化戦略』、『顧客価値の創造と品質経営』、『海外に学ぶ日本のTQMの課題』、『ものづくりにおける技術の伝承と人材育成』、『医療質安全』、『持続的競争優位を実現する「ものづくりマネジメント技術」』を学会誌『品質』の特集として企画して参りました。会員の皆様方が、特集記事を読み、業務に生かして下さっているものと期待しています。

品質立国日本実現は、日本の経済発展と福祉向上には不可欠であり、品質管理関係者の使命であります。その使命を効果的に遂行するための理論と実践の研究、および啓発と交流の促進を役割とする品質管理学会の基本的課題は、多くの専門家を育み輩出するとともに、役立つ情報を発信することであると思います。

品質管理の専門家輩出のためには、学会誌への論文掲載が増え、もっと多くの人が積極的に論文投稿するようにして、博士号を取得できる状況を創出する必要があります。研究と実務に役立つ情報を発信するためには、会員のニーズを充足する査読論文と特集論文が多く、内容の充実した役に立つ品質誌にしていく必要があります。

また、品質立国日本実現に向けた役割に関与する者はすべて潜在的顧客であるとし、顧客価値の視座から顧客を創造していくのが品質管理学会の社会的使命であります。現在、学会は使命遂行のために行事など積極的な活動を展開していますが、学会誌の特集、研究会・部会の成果、学会主催セミナーのテキストなどを再編集した品質管理学会叢書発刊が計画されています。全国の書店を通じて多くの読者を獲得することを期待しています。叢書は厳しい市場評価にさらされるので、学会活動に適切な緊張感を醸成すると推察します。

しかし、品質管理に対する基本認識が欠如する大学人、企業人および政治家・官僚が多く存在しているのが現実であります。品質管理界にも革新が必要であると感じ、微力ながら行動していく所存であります。


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