■ テクノメトリックス研究会報告(2007年3月28日)
主査 中西 寛子(成蹊大学)
3ヶ月に1度、10名余りの研究者が千駄ヶ谷の一室に集う。
本研究会の趣旨に賛同した研究者たちである。特別な話題を持って来てくれる
ゲストスピーカーもいる。10時になると主査が示したプログラムのもと、
研究成果が次々と発表される。その内容を一言でまとめると、
「統計的手法を中核とした品質管理手法の開発・普及」
となる。
研究報告は以下のようにいくつかのグループにまとめられる。
・タグチメソッドに関する研究
・因果構造を考慮した解析の普及
・コンピュータ上での実験および実装
・新たな統計的手法の研究と普及
これらの研究は単なる理論として終わることがないよう、
応用分野への貢献を意識しながら進められている。特に、
品質管理の現場が持つ固有の背景を意識している。一方、
固有の問題は普遍的な手法となり得ない。理論なき議論は
避けなくてはならないとし研究が進められる。
一人の発表に対し、1時間余りの白熱した質疑応答がなされ1日が終わる。
ここでの議論は年次大会での研究発表、品質誌への論文発表となり学会員に還元される。
また、研究会メンバーの品質管理に関する著書も多数ある。
テクノメトリックス研究会は昨年10月で13年目に入った。
当初より参加しているメンバーもいるが、新たに加わったメンバーもいる。
常に研究内容の質の高さを求め、よい成果を上げることが使命と考える。
■ 医療経営の総合的「質」研究会
−医療機関におけるTQMの普及を目指して−
池田 俊也(国際医療福祉大学)
本研究会は、日本品質管理学会計画研究会として2000年4月に発足した。
発足当初より品質管理と医療界より多彩な顔ぶれの研究者・実務家が参加しており、
発足以来、月1回定期的に研究会を開催して、医療界における品質管理手法の活用可能性と課題
について、様々な調査研究ならびに活発な討議を行っている。
わが国では、品質管理と医療界との意見交換・共同研究の場は非常に限られていることから、
本研究会におけるメンバー間での相互啓発の意義は極めて大きいと考えられる。
実際、本研究会では数々のユニークな成果が生み出されている。特に、初代主査の飯田修平氏
ならびに二代目主査の田村誠氏らが中心となり実施した、TQMに先進的に取り組む病院に対する調査では、
有益な知見を得ることができた。この結果については、2005年6月に日科技連出版社より
「医療の質向上への革新−先進6病院の事例研究から−」として出版を行い、
2005年度の日経品質管理文献賞を受賞することができた。
またこれに引き続き、産業界で一般的に有用だと考えられている七つ道具等のTQMツールを先進的医療機関に
おいてどの程度導入しているかを調査し、その概要については昨年の日本品質管理学会において発表を行った。
品質管理の手法・考え方を導入したくてもなかなか推進できないでいる医療機関はまだまだ多い。
そこで今後は、医療機関におけるTQM普及を促進する医療制度・政策のあり方に関する提言を
とりまとめる予定である。また、医療機関において有用な「医療七つ道具」(仮称)の開発を行い、
先進的病院のみならず一般の医療機関への導入を進めることを計画している。
本研究会の活動を通じ、わが国における医療経営の総合的質の研究と実践の発展によりいっそう
貢献できるよう、メンバー一同、今後とも努力していきたい。
■ 環境マネジメントシステム研究会
−環境マネジメントシステム研究会報告−
(2006/02/27)
岡本 眞一(東京情報大学)
環境マネジメントシステム研究会は平成15年に設置され、途中で中断があったが、本年3月に終了の見込みである。前半は招待講演者による講演と研究会メンバーによるフリーディスカッションを中心に進めてきた。なお、講演は恣本適合性認定協会・ 大坪孝至氏、寰Y業環境管理協会・中山哲男氏、ビーエスアイジャパン鱒シ利道氏、井上正昭氏にお願いした。
フリーディスカッションでは環境マネジメントシステムの有効性とは何かという問題を中心に多方面の環境問題について議論した。また、会員メンバーから環境マネジメントシステムに関連するA自動車の環境対策について、B環境対応商品の市場性について、Cグリーンサービサイジングについて、などの報告を受け、それについても議論をおこなった。なお、この内のグリーンサービサイジングについては、昨年秋の学会にメンバーの長沢氏より報告済みである。
今年度には会員向けにアンケート調査を実施し、近くその成果をまとめる予定である。環境マネジメントシステムについてのアンケート調査は適合性認定協会(JAB)により毎年実施されており、調査内容の重複を避けるため、質問項目の調整等を実施した。アンケートは日本品質管理学会のメンバー宛に発送した。回答結果の速報はすでに研究会で報告をしたが、詳細は春の学会で報告する予定である。この結果、消費財メーカ、生産財メーカ、サービス業の順に環境が大切であるという意識が高いことがわかったが、ISO14001登録維持活動や認証登録に向けた活動などが大切であるという意識は生産財メーカ、消費財メーカ、サービス業の順であった。
この研究会の研究期間も残り少なくなったが、研究会メンバーの報告も含めて、研究報告をまとめる予定である。
■ 価格対応品質実践研究会経過報告
(2005/12/21)
本研究会は市場価格に対応した品質を研究する公募研究会であり、元朝日大学の持本志行氏が提唱しているQDm(Quality Design for market price)を実践・実証することを目的としている。既に7回の研究会がもたれ、11月には8回目の研究会となるが、これまでにエクスカベータ、LCD、コンデンサなどについての実践結果が報告されている。
現状のQDmにおいては既存製品について、自社・他社製品の価格・品質の比較検討が中心である。既存製品が具備している機能を中心に品質要素を展開し、この品質要素別に価格を推定することによって、現存製品の価格比較を品質中心に検討できる。
研究会を開始する以前はQDmのDはDeploymentであったが、現在ではDesignと変わった。このことからQDm表を用いて品質設計を可能とする考え方に拡張されているが、価格を設定して品質設計する目的でのQDmの手順を確立する必要がある。そこで今後はQDm原価企画・QDmコンピュータ支援システム・QDm前段の「設計コンセプト手法」の研究開発を予定している。QDmの考え方の応用に関して、参加メンバーから様々なアイデアが提案されており、残りの研究会で研究報告をまとめる予定である。
大藤 正(玉川大学)
■ デジタルエンジニアリングと品質保証研究会
(2004/09/07)
ISO 9004ベースの品質保証の検討
主査 金子 龍三(日本電気通信システム(株))
研究会では様々な業界の商品におけるフィールド問題を調査し、その結果主要な品質保証課題には、○1自動車・携帯電話に代表される顧客が多様で移動環境下で使用する商品の品質保証、○2開発期間短縮化に対応した品質保証、○3システムの拡大に伴い実使用環境以外に対象がない場合の品質保証、○4携帯電話に代表される大規模で複雑な複合技術開発の品質保証があることが判明しました。従来の単純開発型品質保証体系や単純高品質保証型品質システムでは限界があり改善改革が必要であることを明らかにしてきました。
実際のフィールド品質の分析から判明した【妥当性確認もれ】問題には図1の要因があることを明らかにし、実際の未解決障害の分析にこの要因図を用いて有効性を確認しました。妥当性確認関係におけるデジタルエンジニアリング対象も図1に示しました。
経営、企画、設計、製造の品質保証問題に対してはISO 9004の概念に対応するプロセスネットワーク分析技術を開発しました。プロセスの妥当性確認に有効であることも示しました(学会未発表)。以上が第一年度の研究の状況です。
第二年度の研究課題はQC工程表に替わるプロセスネットワークに対応したISO 9004ベースの工程別品質保証の検討【プロセスの妥当性についての技術的検討】です。その観点からデジタルエンジニアリングの対象を検討する予定です。研究員が電気電子情報系に偏っているので課題が多い機械工学分野の会員の参加を期待します。
■ シミュレーションとSQC第1回研究委員会並びにワークショップ開催
(2004/4/28)
| 主 催: |
日本品質管理学会計画研究会「シミュレーションとSQC」
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| 共 催: |
横幹連合同調査研究委員会
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キックオフワークショップ |
| 日 時: |
平成16年5月15日(土)
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| 会 場: |
名古屋工業大学
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プログラム:
| 10:00 |
数値シミュレーションの現状と問題点 −進化的計算法による多目的最適化 |
大林 茂 氏 (東北大学流体科学研究所・教授) (発表45分,質疑15分 以下同様)
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| 11:00 |
数値シミュレーションに基づく統計的実験計画法の研究現状と問題点 |
山田 秀 氏 (筑波大学大学院経営システム科学専攻助教授、 日本品質管理学会テクノメトリックス計画研究会主査)
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| 12:00 |
休憩 |
| 13:00 |
基調講演「ディジタルエンジニアリングとSQC」 |
高橋 朗 氏 (株)デンソー会長、 日本品質管理学会顧問
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| 13:30 |
CAEにおけるSQC活用上の問題点 |
吉野 睦 氏 (株)デンソー・技術センター室長
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| 14:30 |
デジタルエンジニアリングにおける品質保証 |
金子 龍三 氏 (株)NEC情報システム取締役
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| 15:30 |
数値シミュレーションから見た信頼性評価の現状と問題点 |
多田 浩之 氏 (株)富士総合研究所解析技術第2部
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[横幹連合第1回調査研究委員会]
| 16:30 |
横幹連合調査委員会 |
ワークショップを踏まえて研究会の進め方に対する全体ディスカッション
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| 会場 |
名古屋工業大学
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なお、横幹連合調査研究委員会にエキスパートを派遣下さる学会につきましては、今回のワークショップ参加の旅費を学会毎に1名は支援可能ですので、筑波大学の椿(tsubaki@gssm.otsuka.tsukuba.ac.jp)まで、下記事項を4月30日までに送付してください。
- 研究委員会に参画する学会名
- 登録エキスパート名(あるいは、今回のWSに派遣するエキスパート名)
- エキスパートの所属、旅費支援を希望する場合、出張依頼の提出先
- 事務局からの連絡先など
このほかにも、ワークショップにオブザーバーとして参加・発言を希望する横幹連合の専門家がいらしたらば、参加費は頂戴しませんが会場の都合がございますので、5月10日まで椿までに、所属学会、お名前・勤務先・連絡先などをメイルでご連絡頂ければ幸いです。
■ コミュニティの概念に基く小集団活動について
次世代型小集団活動実践研究会
(2004/3/10)
昨年4月より、標記研究会にて活動を進めています。“次世代”、“小集団”、“実践”というキーワードが連なっており、非常に難しいテーマに取り組んでいるものと改めて実感しております。毎月1回のペースで研究会を開催しておりますが、毎回10名以上の参加があり、非常に驚いていると共に、メンバーの方々の熱意には感謝するばかりです。
研究会をスタートした頃は、多くの方からQCサークルの研究をしているのかと聞かれました。ひょっとすると、研究会メンバーもそのような想いを抱かれていたかもしれません。確かに、QCサークルも品質管理を進める上で重要な役割を担う小集団活動です。それでは、QCサークルだけが小集団活動なのでしょうか。プロジェクト・チーム、タスク・チーム、そして職場単位でのグループ活動、様々な名称と形態で小集団活動は存在します。本研究会では、小集団活動をQCサークルに限定せず、職場環境や労働環境の変化から、これからの小集団活動を進める上でのポイントを整理したいと考えています。
研究を進めるにあたっては、コミュニティという概念を中心に据えました。辞書でcommunityを探すと、そこには共同体というキーワードが得られます。共同体の領域は幅広く、職場単位から社会全体までが含まれるのでしょうが、本研究会ではビジネスの場における共同体を想定していることから、「一定の業務目的を持ち、共属感情を持つ人々の集団」と解釈し、これらの活動が効率的・効果的に実践されるための運用方法を検討しています。海外ではコミュニティという概念のもとで、小集団活動の実践が非常に進んでいるとの報告もありました。これらの基礎となるのは日本のQCサークルであり、彼らはQCサークルのよい所を徹底的に分析し、アレンジを行っているのです。
現在までの成果として、今後の小集団活動では、知の創造と共有が求められているという認識を抱き、これを実践するためのポイントやサポートする仕組みについて研究を行っております。“次世代”というキーワードを掲げた以上、これからの社会がどのような方向に進んでいくのかを据え、小集団活動の姿を模索しなければなりません。これは非常に難しい問題でもあります。研究会のメンバーは常に頭を捻りながら一つの指針を提案できるように頑張っております。本年3月を目指して報告書の作成も予定しておりますので、楽しみにしていただきたいと思います。
文責:永井 一志(玉川大学)
■ 新規研究会 メンバー募集のご案内
(2003/3/5)
新規研究会の設置が決まりましたので、メンバー(会員)を募集いたします。
「次世代型小集団活動実践研究会」へのお誘い
この度、次世代型小集団活動実践研究会をスタートする運びとなりました。これからの時代に即した小集団活動の在り方を追究していく研究会です。世間では、プロジェクト・チーム、タスク・チーム、ワーキング・グループ等、様々な形で小集団活動が行われております。現在、そして、これからの時代に即した小集団活動とは何か、またどのように進めるべきかを改めて考えたいと思います。活動は月1回、1年間の予定です。皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
| 主 査 |
: |
永井 一志 玉川大学 経営学部
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| 開 催 日 |
: |
第1回研究会 平成15年4月7日(月)18:00〜20:00
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| 申し込み方法 |
: |
本部事務局宛に会員番号・氏名・所属・連絡先を明記のうえ、E-mail(office@jsqc.org)またはFAX(03-5378-1507)にてお申し込みください。
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| 定 員 |
: |
20名
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■研究会品質管理に役立つ多変量解析法の開発・普及”を志向した
新たな視点からのアプローチ
テクノメトリックス研究会主査 仁科 健(名古屋工業大学)
(2003/3/5)
当研究会は、1994年にSQCを研究テーマとする計画研究会として発足し、現在3期目(3年/期)をむかえている。タイトルにあるように、“品質管理に役立つ多変量解析法の開発と普及を志向した新たな視点からのアプローチ”が研究会の基本テーマである。ただし、多変量解析以外のSQC手法を対象外としている訳ではない。キーワードは“品質管理に役立つ”である。ここに“新たな視点からのアプローチ”の意味が込められている。統計解析ソフトの普及、および各方面でのセミナー教育によって、多変量解析がSQCのベーシックな手法となりつつある。しかし、現在のレベルが品質管理に対応した独自性をもつソリューションテクノロジーとして確立したものになっているとは言い難い。既製品では十分な対応ができない場合もある。
当面、“因果推論の品質管理への応用”“主変数法など結果系変数の選択問題”に関する研究が具体的なメインテーマである。研究発表会、学会誌“品質”への論文投稿、解説の寄稿などを通じて、これらの研究成果の公開を進めていく予定である。
第69回研究発表会のチュートリアル講演会では、重回帰分析における偏回帰係数の解釈、説明変数の選択について、工程解析、工程改善を意識した因果分析の観点からの解説を行った。また、“重回帰分析における偏回帰係数の解釈について”が品質誌32巻3号に掲載されている。
■ 知の創造の実務研究 長澤重夫
(2001/9/25)
平成13年4月より1年間もたれた"ナレッジ・マネジメント(KM)と QFD(Quality Function Deployment品質機能展開)研究会"から発展的に"知識創造実践研究会"が設置された。物づくりと共に知の生産が重要になって来ている事を受け、知識創造の実務面に焦点を当て討議を進め、出来れば何らかの実用ツール的なものを纏める事も視野に置いている。
新規メンバーも加わり会合は月1回であるが常時e-mail連絡等行っているので会合の効率は良い。発言が活発で話題が広いことが特徴かと思う。過去2回の研究会で自由討議を持ち方向づけを行ったが、当面次の四つに絞り研究を進める事にした。
- 現場とシステムがかみ合うための知の管理。
- KMで提案されている各種ツールの実用的検討。
- KMのコア(価値創造、人材育成、知識創造)の実用面の検討。
- 個人の意欲と知識ベースのインタラクティブ効果、等
狙いとしては、個別研究の深化はそれぞれの専門家にまかせねばならず、日常実務の運用はある程度確立しているので、品質管理の得意とする管理技術を駆使して、その隙間から出る新しいものをいかに逃さないか(例えばNeedsとSeedsの有効な出会い)もひとつのテーマとする。
一般会員のご意向も反映したいので学会事務局またはメンバーへご意見頂ければ幸いである。
- 研究会メンバー:
- 玉川大学 大藤 正 玉川大学 永井一志 富士ゼロックス 布施輝雄
岡谷電機産業斉藤 忠 横河電機杉浦 忠 熊谷組田中孝司
東京大学田村泰彦 日本大学西原良治 前田建設工業藤野芳徳
グローバルテクノマネジメント研究所平戸昌利 サンマックス長沢重夫(主査) 以上
■「複合技術領域における人間行動研究」近況報告
(2001/3/5)
−人間を中心としたシステム安全学の体系化を目指して−
主査 中條武志(中央大学)
近年,原子力,医療,航空などの様々な分野において組織における人の行動が引き金となって発生した事故が社会的な問題となっています.これらの事故は信頼性・安全性を確保するための強固なしくみが人の介在によっていかに容易に崩れ得るかを示しています.安全獲得のためには,ハードウェア技術の向上に努めるだけでなく,人間を視野の中心において,人の特性を考慮したマネジメントや設計を考えることが重要となってきたと言えます.
本研究会では,このような立場から,様々な分野における事故事例の調査・研究を通して,進歩の激しい複合技術領域における人間行動とそれによって事故が引き起こされるメカニズムを解明し,品質管理の立場からこのような事故を防ぐ上で有効な方法論を提案することを目的に活動しています.進め方としては,1ヶ月に1回の頻度で会合を開き,メンバー各自が進めている人間行動に関する研究についての発表・議論を行い,人の関わる事故の未然防止のための方法論の研究および体系化を試みています.
今まで取り上げたテーマとしては,1事故の引き金となったヒューマンエラーや標準不遵守の組織要因の分析,2製造現場における人的環境の変化,3医療におけるリスクの分析・マネジメント,4効果的な事故報告制度のあり方,4プロセスアプローチに基づく医療事故事例の分析,5発端となる事象から致命的な状態に至る人間行動の記述法,6自動化が人の行動に与える影響,7チーム活動におけるエラーの分析とエラー防止原理の抽出,8製品使用時におけるエラーの危険性予測法,9マニュアル・絵表示の誤解のしやすさの評価法,などがあります.これらの内容については,3月3日の第5回情報システム学シンポジウム「信頼性とシステム安全学」でも議論・検討する予定です(詳細は学会ホームページhttp://jsqc.i-juse.co.jp/gyoji.htmlを参照してください
).会員の皆様の積極的な参画・ご支援をお願いいたします.
■ナレッジマネジメントとQFD研究会
(2001/7/6)
ナレッジマネジメントとQFD研究会 近況報告(主査 永井一志)
最近書店では、ナレッジ・マネジメントに関する文献が非常に多く並ぶようになりました. このことは、知の創造に関して多くの企業が関心を抱き、その重要性を認識していると解釈できます.
本年3月末よりスタートした「ナレッジ・マネジメントとQFD研究会」では、知の創造や知の創造プロセスと新製品開発におけるQAの一方法であるQFDには多くの共通点があることに着目し、研究に取り組んでいます.
現在のところナレッジ・マネジメントで重要とされているイネブラー(正式な日本語訳はありませんが、「知識創造促進要因またはしかけ」と解釈しています)とQFDによる顧客要求の解析方法について研究を行っています.
さらに、知の創造に際して重要とされているケアについてもQFDとの関連性を研究していく予定です. ナレッジ・マネジメントに造詣が深い方のお話を聞きながら、最終的に新製品開発の一助となる開発管理工学ツールの提唱を目標としています.
大それた目標であるかもしれませんが、メンバーの方々には多くのご発言をいただき、充実した活動を行っています. 研究の成果については積極的に学会等で発表していきますので、ご意見等をいただければ幸いです.
■日本技術者教育認定機構制度(JABEE)(案)について
近況報告(品質教育研究会 下田祐紀夫)
国際的に通用する技術者の育成を目的として,4年制の理工系大学および(2年制の)専攻科を持つ短大・高専を対象に,教育機関の評価・認定を行う日本技術者教育認定機構(JABEE)が設立される.設立の経緯やねらいは,朝日新聞(1999・4・20)や東京新聞(1999・4・9)の第1面トップ記事をはじめ多くのマスコミにより報道されている.
教育機関の評価・認定基準(案)は「共通基準」と「専門基準」の2種類.「共通基準」は,専門に拘わらず全ての専門分野で満足すべき基準で,学生が問題解決能力,自己学習能力,発表能力等を身につけることが出来る教育プログラムか否かが問われる基準.
「専門基準」は,学生が専門分野の能力を身につけることが出来る教育プログラムになっているかが問われる.品質教育研究会では,JABEEの「共通基準(案)」を検討し,共通基準の日本品質管理学会(案)を作成し,さらに「品質管理を含む経営工学」に関する専門基準(案)を作成した.これらの案をふまえ企業にアンケート調査を計画し,調査結果をふまえ大滝主査が,「技術者教育認定制度と経営工学」と題して平成11年7月1日の日本学術会議経営管理工学専門委員会第15回シンポジウム(会場:早稲田大学大隈小講堂)で講演を行う予定である.
■TQMにおけるビジョン経営事例研究会 近況報告(主査 赤尾
洋二)
環境変化激変の時代に,企業は短期利益指向の度を強めているが,このような時代こそ「品質は長期的にマーケット・シェアーを増大し,長期利益に貢献する」というえ方が重視されるべきであろう.
本研究会は,年度方針を中心にした方針管理(方針管理事例研究会),戦略的方針管理(戦略経営とTQC事例研究会)の後をうけて,「理念・ビジョンによる品質経営」を,TQMの立場から研究することで設置され,既に約半か年経過した.
最近の課題を例示すると,
- トヨタのビジョン経営
- アイシン精機のビジョン
- アイシン・AWにおけるビジョン
などの企業事例と並行して,
- 品質月間特別行事,豊田会長講演要旨「品質を中核とした企業経営」
- 中村元一「理念・ビジョン追求型経営」
などの関連文献の研究とともに,研究会のアウトプットである,
- 「ビジョン経営ガイドライン(仮題)」内容項目の検討
を進めている.
TQMが再構築され,21世紀に向けて新たな胎動を始めようとする時に,本研究会の研究が,その方向の一つの示唆を示すものとなることを祈念している.
最終報告は,平成11年10月年次大会を目標にしている.
■ 研究会近況報告
(1998/3/30)
TQMの医療への展開研究会 (主査 上原 鳴夫)
研究会は,欧米における医療適用事例も参照しつつ,TQMを医療に展開する方法の開発を目指している. QCサークル活動はTQMの基礎となるQC的考え方の普及・浸透に有効であるが,医療界ではほとんど認知されてこなかった.
このため1月24日に公開ワークショップ「病院QCサークル活動の現状と課題」を開催し,その意義と課題について検討しあわせて病院QCサークル現状調査の中間報告も行った.
北海道から沖縄までの11の病院が体験談と推進事例について発表し,パネル討議では運営の現状や問題点について活発な討論を行った.
病院QCサークルの交流会としてはこれが初の試みであり,200名を超す参加が得られたことで,病院QCサークル活動の実際を啓蒙するよい機会になっただけでなく,実施施設にとっても大きな励みになった.
これまでのテーマは業務効率の改善が主となっているが,これは医師の関心が低いことのほか職場・職種に限定されたサークル活動という性格にも由来しており,医療の質の確保や改善に有効性を発揮するためにはシステムの改善を指向した課題別チームによるプロジェクト・アプローチとTQMへの発展が必要と思われる.
今後は,品質展開,方針管理,指標管理等の医療の質への応用について研究を進める計画である.
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