本学会名誉会員・元会長で東京理科大学名誉教授の狩野紀昭氏がEOQ(ヨーロッパ品質機構)60周年記念大会で、EOQ George Borel Award 2016を受賞されました。受賞理由は1ページのトピックスをご覧ください。
狩野氏は、日本での個人に与えられる品質管理の分野での最高の栄誉であるデミング賞本賞を受賞し(1997)、米国品質協会(ASQ)からは最高の栄誉である名誉会員に指名されています(2014)ので、今回のBorel Award受賞により、日、米、欧での三冠栄誉を達成されたことになります。誠におめでとうございます。
電気通信大学教授で、本学会第39、40年度会長の鈴木和幸氏が本年度のデミング賞本賞を受賞されました。信頼性工学、TQMに関する研究・教育、普及・啓発活動に携わり、とりわけ信頼性工学の分野ではWarranty data 解析の分野を切り拓くなど、世界的レベルで学界をリードされてきました。論文審査委員長も務められました。会長在任時には、信頼性工学及びTQMの理論・方法論の社会での実践適用を目指し、産業界への普及・啓発活動、国の政策やその対象である安全・安心社会構築への貢献、さらには国際貢献に尽力されました。
また、次代を担う人材を育成するため、初等・中等教育での問題解決のための教育の啓蒙・普及にも重点をおいた活動をされました。後継者育成にも熱心に取り組まれ、これまでに11名の博士を送り出しています。33組織、延べ80名の研究者による共同研究を推進し、研究の組織化にも貢献しています。同氏が栄えあるデミング賞本賞を受賞されたことは本学会としても光栄なことであります。誠におめでとうございます。
今回の受章は、私がチーフアドバイザーを務める日印の国家プロジェクト“インド製造業経営幹部育成支援(VLFM)プログラム”が、インド製造業に大きなインパクトを与えたことが評価されたためであります(日本側はJICAのプロジェクトとして実施)。
この勲章は、インドでもっとも権威のある勲章であり、大変光栄なことと思っています。授与式はインド大統領官邸で3月22日に行われ、大統領より直接頂きました。日本のモノづくりに携わるものとして、大変意義のあることと思っています。それは、日本のモノづくりに対するインド政府の強い信頼のメッセージだからです。
振り返れば、石川 馨先生が、1986年にCII(Confederation of Indian industry)の要請を受けてインドを訪問されてより、日本のQC界は、インドと長く、深い関係があります。それは多くのインド企業がデミング賞への挑戦を続けていることからも明らかです。
今回の受章は、日本とインドとのモノづくりを通しての深いつながりの上でのものであり、私の貢献というよりも、その様な長い歴史の流れの中のできごとであり、多くの先人のご努力に心から敬意を表す次第です。